別れの時 ~連れ去られた母と娘~
「クックク・・・,こんな上手く捕らえることが出来るとは思わなかったぜぃ」
「本当だな.ハッハハハ・・・」
「なあ,ちょっと触ってもいいか?」
「ダメだ!」
「まずは,マザーをあの方に届けるのが先だ」
「そ,そうだな」
「たぶん,首を伸ばされているに違いない」
「母船へ転送するぞ!!」
「OK!」
ブワァーン,シュルルル・・・.
「ご,ごめんなさい.ママ」
「レ,レイナ・・・」
「わたしが捕まらなければ,ママも捕まることはなかった」
「いいのですよ」
「わたしたちこれからどうなっちゃうの.わたしたちはどこかへ連れて行かれちゃうの」
「わかりません.ただ言えることは,もう戻ってくることは出来ないということです」
「・・・・・・そ,そんな・・・・・・」
「も,もう,ミクには会えないの・・・」
「レ,レイナ・・・」
「た,たいへんじゃあーーッ」
「どうかしたのですか.大長老様」
「マザーとレイナの,ふ,二人が・・・」
「大長老様,落ち着いて下さい.二人がどうかしたのですか」
「二人とも捕まり,どこかへと連れ去られてしまった.これが落ち着いていられるようなことではなかろう」
「ど,どうして,アン(マザー)の力あれば」
「どうやら,娘のレイナを楯として使われたらしい」
「くっ,な,なんと卑劣なことを・・・」